「生活者の視点から生きた知識を創る体験的社会科研修」とは何か 3
4.美的感性を磨く
日本地理の地形に関する説明をするとき、
日本は南北に細長く、国土の70%以上が山で、
火山や森林が多く、
日本の河川は短く急であるという特色を持つ。
周りが海に囲まれた島国でもあり、
複雑に入り組んだリアス海岸も多いと
表面的な説明で終わらせてしまうことがある。
しかしある時、私は(若い時私は某山岳会に所属)
自分の体験談を交えながらその四季折々の自然の美しさについて熱く語った。
生徒の反応がとても良かった。
『水と緑の国、日本』富山和子 講談社 p23 苗代と北アルプス
教師にとって「美的感性を磨く」ことが大切であることを
啓蒙してくれた書 いつも私は手元に置いている。
以後日本の各地方を教える時は、
全国各地の美しい観光スポットの写真
(温泉、渓谷、高層湿原、森林、カルデラ湖、リアス海岸、サンゴ礁の海など)
をなるべく見せながら、
必ず体験談も織り交ぜるようにしてみた。
その効果はてきめんで、
このことがきっかけとなり多くの生徒の地理嫌いを解消することができた。
美的価値を感じる対象は日本には上記の四季折々の自然のほか、
もう私は退職してしまったが最近、
身近な地域の四季折々のちょっとした自然の移り変わり、美しさを
生徒に気づかせることが大切だとつくづく思う!
建築物、庭園、アニメなど多岐にわたる。
それだけに直接現地に赴き「美しいものを美しいと感じる」
美的感性を磨き、
その感動体験を生徒にありのままの表現で伝えることが
いかに大切かということがわかってくる。